主人公が辛い環境でもやりたいことを楽しんでいる小説はヒット可能性が高い

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主人公が辛い環境でもやりたいことを楽しんでいる小説はヒット可能性が高い

この記事はプロのラノベ作家が監修しています。


Q.主人公が辛い環境でもやりたいことをして楽しんでいる物語はヒットする可能性が高い?

異世界転生物の小説を読んでいると、主人公がやりこんだ大好きなゲームの世界に転生できて嬉しい! とか。転生したら公爵令嬢で、お父さんはイケメンの公爵で兄もイケメンで私も美少女で嬉しい!


といったように、主人公が転生できて嬉しいと思い、この世界を楽しむといった要素を序盤に入れているものが多いです。
このタイプの作品は、主人公に特に大きな目的が無いものも多いですが。


例えば、アニメ化が決定された「ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~」のように、主人公は難易度の高いゲーム世界に転生したが、ヌルいゲームに飽き飽きしていた主人公は、コツコツ試行錯誤して攻略法を見つけていく、ような逆境を跳ね返すタイプの話でも、主人公が憧れのゲーム世界にやってこれて嬉しい!を序盤から出しています。
(主人公のクラスは、超高難易度であるが、極めれば最強になれることは序盤で約束されています)


他にも、こちらもアニメ化が決定した「ふつつかな悪女ではございますが」のように、主人公が敵の呪いによって、身体を入れ替えられ、処刑されそうになっているにも関わらず、健康な身体を手に入れた!と言って喜ぶような展開のものもあります。
おそらく、要点として考えられるのは、


①主人公が上機嫌でいると読者も楽しくなれる。これは人間には共感能力があり、接している人間が不機嫌だと、それが伝染するといった感情が伝染する傾向があるため。


②主人公が厳しい環境に置かれていとしても、これを楽しむような心の強さがあると、かっこよく映る。


のではないか?と分析しています。
ふつうのWeb小説は①で止まっていが、
ヘルモードや、ふつつかはここに②を加えることで、よりおもしろさが増しているのではないかと考えていますが、いかがでしょうか?


A.質問の内容は「主人公が厳しい環境に置かれているような作品だったとしても、主人公にこれを楽しむような心の強さがあると、読者の目にかっこよく映り、結果として面白さが増すという考え方は正しいか?」ということだと思われますが、これはほぼ正しいと思われます。

小説の創作において本質的に重要なのは「そのキャラクターが何をしたいキャラクターなのか傾向がはっきりしており、その何をしたいかという特徴を通じてそのキャラクターに魅力を感じることが出来るか」という点です。


アンパンマンは「皆を助けたい」「皆を元気にしたい」という傾向がはっきりしており、結果として顔の一部であるアンパンを色んな人にあげるという行動に出て、その行動に一貫性があり魅力につながっています。


バイキンマンも、「アンパンマンを倒したい」「おいしいものは独り占めしたい」といった傾向がはっきりしており、結果としてそれを実現するための様々なメカを作ったり、行動が一貫している点が魅力になっています。


そういったよくあるキャラクターの傾向の一つで、「他の人間にとっては地獄のような環境でも、自分にとっては楽しみで仕方が無い」という、ある意味馬鹿げている系の主人公は、それこそ漫画などでよく採用されるキャラクターテンプレートの一つです。「敵が強いほど燃えるぜ」みたいなことを言っているキャラクターは、大体これです。


なので本質的には順序は逆で、
「主人公が厳しい環境に置かれていとしても、これを楽しむような心の強さがあると、かっこよく映る。」のではなく、


「厳しい環境でもその環境を楽しめるようなキャラクターは読者にとって魅力的に映ると思うから、そういったキャラクター性を描くために主人公を厳しい環境に置くストーリーにした」というのが創作的な発想としては正しい手順かもしれません。


その上で、当たり前ですが「厳しい環境におかれたら不平不満を抱くような主人公」であれば、そもそもその主人公を厳しい環境におくようなストーリーを描くべきではありません。
(ただし、更に一周回って、「厳しい環境に置かれたら不平不満を抱く主人公の、『なんで俺ばっかこんな目にあうんだー!』という不平不満の抱き方が、リアクションもあわせて読者にとってものすごく面白いキャラクター」というところまで考えている場合は、厳しい環境が嫌いな主人公を厳しい環境に置くという手法は有効です。)


2025年7月2日に作成した記事


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