男性向けの女性主人公小説の重要ポイントは、無双とギャグ感
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Q.男性向け女性主人公小説を書くコツとは?
男性向け異世界ファンタジーで女性主人公を書いて、失敗しました。
もしかするとなのですが、女性主人公物で重要ポイントは以下のようなものではないかと考えているのですが、いかがでしょうか?
①男性向けにする場合、ニーズは女性主人公であっても成り上がりなので、最初の主人公の能力、地位は低い方が望ましい。
(一気に強くなることはあっても、必ず無双してレベルアップする要素を入れて、最初から最強のスレイヤーズのようなタイプにはしない)
②男性向けにする場合は、男性主人公よりも無双要素が求めれられる。おそらく、女子なのに強いというギャップがニーズの一つであり、女性向けだと思われないように、積極的に無双していかないと、男性読者ニーズが満たせない。
逆に、序盤において、主人公が人助けして感謝されたり、人格を褒められるような要素を多く入れると、女性向けに近くになり、男性にも女性にも刺さらなくなるリスクが高くなる。
(女性向けニーズは、人格を褒められること。他人を助けて感謝される系なので)
序盤、最初の5万文字くらいにおいては、無双要素とレベルアップ要素を強く押し出し、これは男性向けであることを理解してもらわないと、どっちつかずの作品になって人気が出ない。
と、このように分析しているのですが、いかがでしょうか?
A.二つの質問①②にそれぞれ回答いたします。
①についてですが、最初にお答えとしては男性向け作品で女性主人公をやる場合、女性主人公の能力や地位を低くすると、むしろ爆死する可能性が高くなると考えています。
※女性向け作品の女性主人公であれば能力を低くすることはそれほど問題になりません。
ただし、最初の1話の冒頭だけ弱いが、そのあとすぐ最強になって1話の終わりには弱い状態ではなくなっているという場合であれば、セーフであるという感覚を持っています。
またこの傾向は、ウェブ小説でも新人賞でも共通であるような印象を覚えています。(ただし百合小説は除きます)
何か相当ひねった構図にしない限り、男性向け作品(もしくは女性も読める男性向け作品)の女性主人公は、【基本最強だがどこかで残念なキャラクターである、もしくはかわいそうな目にあっているキャラクターである】というのが基本構図です。
(例:最強だが金がない、最強だがそのせいで事件に巻き込まれることが多い、最強だがデスゲームに巻き込まれてひどい目に合う、最強だが仕事の残業が多い、など)
もしも成り上がりをテーマに作品を描きたいという場合は、素直に男性主人公で行った方が得策であることが多いイメージがあります。
次に②についてです。
こちらはほぼ頂いている意見が正しいと思われます。
つまり、「女性主人公で男性向けにする場合は、男性主人公よりもわかりやすい無双要素がもとめられる。積極的に無双することで、かわいい女の子なのに強いというギャップを生かす」という戦術を取るということとなり、これはウェブ小説でも新人賞でも正解の型の一つになりやすいです。
さらにこの無双は序盤から出すことが有利につながるため、これはそのまま、「女性主人公の能力や地位を低いスタートにすると不利に出やすい」という①の理由に直結しています。
序盤で「主人公が人助けして感謝されたり、人格を褒められるような要素を多く入れると、女性向けに近くになり、男性にも女性にも刺さらなくなるリスクが高くなる」かどうかについてですが、
結果的にはこれは正しいと思われますが、感謝されたり褒められる要素を入れたからリスクがあがるのではなく、「男性向けの女性主人公であるというシグナルを出さなかったから」リスクがあがるという因果関係であるというのが本質です。
「男性向けの女性主人公であるというシグナル」とは、一言でまとめてしまうとギャグ感です。
特に女性主人公の残念な点をギャグ調で序盤に出すことで、この作品は女性主人公であるが男性向け作品であるということをアピールすることができます。
より俗的な言い方をするならば、読者が「この女性主人公、最強なのに〇〇〇な目にあってて草」という感想を最初に抱けるかどうかという点です。
例えばですが、「この女性主人公、最強なのに手違いでギルド追放されてて草」や、「この女性主人公、最強なのに自分のことを可愛い路線で売れると思ってるの草」や、「この女性主人公、最強なのにめっちゃ暴食なせいでまわりに引かれて全然モテないの草」など、女性主人公の行動が何かのギャグになっていれば企画自体は何でも構いません。
その上で、「でもなんだかんだで回りの人から賞賛された」という展開を入れる分には、問題がないのではと個人的には感じます。
問題なのは、人から賞賛されたり感謝されることばかりを描写しすぎたせいで、ギャグの方に描写を割くことをしなかった点なのではないか、という印象です。
2025年7月23日に作成した記事
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