【不動産投資】気になる物件の机上調査(5)法令上の制限

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【不動産投資】気になる物件の机上調査(5)法令上の制限
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本記事は、【不動産投資】気になる物件の机上調査 ④
https://lounge.dmm.com/detail/8268/content/41290/
の続きです。

これまでに、物件概要書の総論、エリア、建物、レントロール、土地について解説してきました。

第5回となる今回は「法令上の制限」について。
不動産は建てれば何でもOK…というわけではなく、土地にはその用途や建物の規模などを制限するさまざまなルールが存在します。

法令上の制限は、物件の「使い方」「将来の建て替え可能性」「増改築」「売却時の出口戦略」に関わってくるため、机上調査の段階で押さえておくべき非常に重要なポイントです。


都市計画区域とその種類

都市計画区域は、市街地を計画的に整備するために定められており、以下の3つに分類されます。


・市街化区域

・市街化調整区域

・非線引き区域


市街化区域

建物の建築が原則として可能です。住宅地・商業地など、さまざまな用途地域が設定されています。

投資用不動産として最もポピュラーで、インフラ整備も進んでいます。収益不動産の投資対象としては最も基本的で安全性の高いエリアです。


・市街化区域は原則として投資対象になる。

・市街化区域は、都市計画により積極的に市街化(建物が建ち並ぶエリア)を進めていく区域。

・法令違反や接道義務未達がなければ、原則再建築が可能。

・インフラ(上下水道・ガス・電気)が整備されていることが多い。

・金融機関の評価が安定しており、融資が付きやすい。

・建蔽率・容積率、防火規制などのルールに従えば、自由に建て替え・用途変更も可能。


ただし、注意点としては以下があります。

・都市計画変更リスク:再開発による用途変更などがまれにある。

・用途地域による制限:低層住居専用地域などは、建物高さや形状に制限が強い(=収益性が上げにくい)。



市街化調整区域

原則として建築不可。農地や山林などが多く、都市計画法により開発が厳しく制限されています。

例外的に既存建物の建替えが可能なこともありますが、新築や再開発の敷居が高いです(一律不可能ではない)。

【要注意エリア】として、机上調査の段階で必ず確認しましょう。


市街化調整区域でも再建築が可能な場合

市街化調整区域=再建築不可ではありません。市街化調整区域=再建築不可と書いている本があるので、注意しましょう。

市街化調整区域は、原則として市街化を抑制する区域です。「原則として再建築不可」とされますが、これはあくまで原則にすぎません。

以下のような例外条件を満たす場合は、同用途・同規模の場合は建築確認が下りて再建築が可能となることがあります


建物がすでに解体されている場合、「空地になってからの年数」が長すぎると再建築が認められないことがあります。概ね取り壊しから数年以内(自治体により異なる)に建て替えの許可を申請する必要があります。


① 既存宅地(既存建物あり)

・1970年以前(または指定日以前)に建物が建っていた土地

・現在も建物がある、または直近まであった(取り壊して間もない)

・建替え前提で同規模・同用途の住宅等を建てる場合

→通常は開発許可不要・建築確認のみで再建築可

※地域によっては「同一世帯の居住用に限る」などの条件あり


② 都市計画法第43条の許可を得た場合(43条但し書き許可)

・周辺環境に影響を与えないことが前提

・通勤・通学・介護など「やむを得ない理由」がある場合に、居住用建築を許可

・自己利用が原則で、収益目的の建築はNGとされることが多い

→ 自治体の都市計画課の判断に左右される(同じ県でも市町村で異なる)。一部の自治体では、建築審査会の意見聴取を経て許可が下りるケースもあります。


③ 市街化調整区域内の「区域指定地」

・一部の調整区域では、行政が開発を容認した「区域指定」が行われている。

・この区域では、一定の用途に限り 開発許可なしで建築可能な場合あがある。

→ 区域指定図や都市計画図を確認(ネットで見られる自治体もあり)


④ 農家住宅、福祉施設など特定用途

・自家用農家住宅、診療所、福祉施設、公共施設など

・条件を満たせば建築可だが、投資物件としてはハードルが高い


⑤ 法第34条各号による例外

都市計画法第34条に基づき、市街化調整区域でも許可を得て建築ができるケースがあります。

主な例:

34条1号:農家の住宅や作業場(農業従事者向け)

34条8号:既存集落における親族の住宅

34条11号:条例に基づく地域独自の例外措置(例:過疎地域での居住促進など)

「34条11号」が最もグレーゾーンが広く、自治体により運用がまちまちです。建築審査会や都市計画課などにヒアリングが必要です。


市街化調整区域を見た瞬間に投資対象外とする投資家が多いので、再建築可能という情報を引き出せば、お宝物件になる可能性があります。


再建築可否は大事な情報なので、不動産の情報だけでなく、自ら役所に確認する必要があります。自治体によって「建物滅失後◯年以内ならOK」「家屋課税台帳に残っていればOK」などのローカルルールがあるため、調整区域内で検討する場合は役所(都市計画課)に個別照会が必須です。


ただし、市街化調整区域は融資付けには不利です。

収益物件の建築には許可が下りないケースも多く、ケースバイケースです。

また、市街化調整区域は敬遠されやすく、出口が不確実です。

以上の点には注意が必要です。



非線引き区域

都市計画区域ではあるが、市街化区域・調整区域に区分されていない地域のこと。

田舎や郊外ではよく見かけます。基本的に再建築は可能ですが、市町村ごとの条例やガイドラインで独自の制限があることがあることがあり、個別確認が必要です。

金融機関によっては評価が低く、融資期間が短くなる場合もあります。


非線引き区域で再建築が「できない or 難しい」ケース

・接道義務を満たしていない(=再建築不可物件)

・43条但し書き許可が必要な道路にしか接していない

・市町村によって独自の開発許可制限がある

・上下水道が通っていないなど、インフラ未整備


注意点

・市街化区域と同様に見えても、再建築の可否は役所調査が必須

・特に「開発許可が必要な場合」「農地転用が絡む場合」は要注意

・不動産屋が「建築できますよ」と言っていても、役所で確認しない限り信用しない方がよい。「非線引き区域でも再建築可」と言われた場合は、接道(建築基準法上の道路)と建築確認が通るかの2点は必ず役所で確認しましょう。



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