エレベーター物件について考える

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収益物件の中でも、10戸以上の中規模マンションやビルでよく見られる「エレベーター付き物件」。便利な設備である反面、投資家にとっては大きなコスト要因でもあります。


この記事では、物件の図面や備考欄に記載される「エレベーターあり」の一文の裏に、どれだけの注意点が隠れているかを解説します。導入コスト、保守、更新工事…見落とせば利回りを一気に食い潰す「沈黙のコスト」に要注意です。


本記事の見出し一覧です。


・エレベーターの種類と基本構造

・エレベーターの電気契約

・エレベーターの保守契約

・保守会社の選び方

・検査・報告義務と法令対応

・リニューアル工事

・まとめ


まず、エレベーターの種類と基本構造を見ていきましょう。



エレベーターの種類と基本構造

エレベーターにはいくつかの種類があり、その構造の違いが導入コスト・維持費・更新費に直結します。物件の価値を正しく判断するためにも、基本的な構造と種類の違いは把握しておくべきです。


ロープ式(巻上機式)エレベーター

最も一般的なタイプ。多くのマンションや中高層ビルで採用されています。

モーターで巻上機を回してワイヤー(ロープ)を動かし、かごを上下させます。巻上機は主に建物の最上部(機械室)に設置されていることが多いです。


特徴:

高さ制限なし(超高層にも対応)

昇降スピードが速い(快適)

導入コストは比較的高い

維持費・更新費もそれなりにかかる


こんな物件に多い:

5階建以上のマンション

中規模以上の事務所ビル

タワーマンション(高層用は特別仕様)



油圧式エレベーター

3階建て程度の低層建物に採用されることがある古いタイプ。

ポンプで油を加圧してシリンダーを押し、かごを上下させる方式です。昇降に電気を使うが、下降時は重力を使うため消費電力は少ないです。

私は油圧式エレベーターは経験がありません。


特徴:

昇降スピードが遅め

昔は設置コストが安かった(現在はロープ式が主流)

地中に油圧シリンダーを設置するため、土壌汚染リスクあり。

点検費用・部品供給に不安あり→古くなると更新非対応の可能性


こんな物件に多い:

1980~90年代の3階建てオフィスビル・福祉施設

一部の古いマンション



機械室の有無(MR方式/MRL方式)

近年のエレベーターは省スペース化が進んでいます。


MR方式(Machine Room):

屋上などに機械室を設ける方式。点検・整備がしやすく、導入コストが安定。

~2000年代の物件はMR方式が中心。


MRL方式(Machine Room Less):

機械室が不要な省スペース設計。エレベーターシャフトの上部や側面にモーター等が設置されている。設置が容易で見た目もスマート。

初期費用は安い傾向があるが、一方で管理が煩雑で、保守契約の種類を選ぶ際には要注意。

2000年代以降に増加した方式。



我々個人投資家が普通に少し古い物件を探すと、ロープ式・MR方式のエレベーターが多いと思います。

図面や備考欄に書かれていない場合でも、現地写真や管理会社への照会である程度の構造は把握できます。築20年超のエレベーター付き物件では、「エレベーターの種類」「機械室の有無」「リニュアル前か後か」は重要なチェックポイントです。



エレベーターの電力契約

エレベーターのある物件では、「電気代」は軽視できないランニングコストの一つです。特に共用部の電灯+エレベーターの動力を合わせて契約しているケースが多いため、契約形態や使用状況次第では大きな差が出ることもあります。


ここでは、電力契約の基本から、エレベーター運用にかかわるコスト面まで詳しく見ていきましょう。


電気契約の2系統:「電灯契約」と「動力契約」

電灯契約(照明・コンセント用)

一般家庭と同様、100V電源で照明・コンセントなどの軽負荷用途に使用。

マンション・ビル経営では、エントランスや廊下の照明、センサーライトなどに利用される。エレベーターの室内照明やインターホン系統もこちらに含まれることが多い。


動力契約(エレベーター・ポンプ用)

エレベーターや給水ポンプ、空調設備などの高出力機器に使う200Vまたは三相200V電源。モーターを動かす用途。基本的にエレベーターの巻上機(モーター)用電源は動力契約になる。



契約種別:低圧 vs 高圧

低圧契約(普通のマンションに多い)

電灯:契約容量50kVA未満

動力:契約容量5kW未満

一般的なマンションやアパート(~30戸規模)で採用。共用部として電灯契約・動力契約を電力会社とオーナーが結び、各入居者は自分の部屋について各自が電力会社と契約する。電気料金は単価が高めだが、設備更新コストは低い。

エレベーター1基・共用照明だけなら低圧契約で十分なケースがほとんど。


高圧契約(中規模以上のビルに多い)

受変電設備を敷地内に設ける必要あり(キュービクル設置など)

高圧の電気をビルで一括受電し、ビル内の設備で低圧に変圧。変圧した電気を共用部や各テナントに自施設で託送する。電気契約はビル全体と電力会社と結ぶのが一般的で、オーナーが各戸の検針→請求を行う。

従量の電気代は安いが、基本料金が高く、また設備更新コストの負担が大きい。


高圧電気については奥が深いので、ビル運営のコンテンツで詳細に解説します。



エレベーター運用における電力コスト

稼働状況によりますが、~15戸くらいの小規模マンションであればエレベーター1台当たりの電気代は月額8,000~12,000円程度、20~30戸くらいの中規模マンションなら月額15,000~25,000円程度が目安です(エレベーター内照明+動力)。


ビルは稼働状況により様々です。

私の物件では、5F建てのロープ式で電気代月間30,000円くらいです。結構大きいですね。


電気代を抑えるための工夫:

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