【食品添加物危険度ランキング:科学的根拠と最新情報】

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【食品添加物危険度ランキング:科学的根拠と最新情報】

はじめに

みなさまはどれくらいの添加物を摂取していると思いますか??
日本人の年間の食品添加物摂取量はなんと年間約5.8kgに及ぶとされています。あくまで推定値なので、毎日コンビニやファーストフードばかり食べている方はさらに膨大となります。

食品添加物は現代の食品製造に欠かせない存在であり、食品の保存性、味、外観、加工性を向上させるために広く使用されています。

しかし一方で、その安全性には長年にわたり議論が続いており、近年では発がん性や内分泌かく乱作用、発達障害への影響などが報告されている添加物も存在します。

今回は、最新の科学的研究と日本・アメリカ・EU等の規制動向を踏まえながら、特に注意が必要な10種類の食品添加物について、危険度をランキング形式でみなさまにお伝えします!!

【食品添加物危険度ランキング:科学的根拠と最新情報】
【第1位】合成着色料

(FD&Cカラー、赤色40号、赤色3号など)

合成着色料は食品の鮮やかな色彩で魅力を高めるために使用される化学物質です。赤色3号、赤色40号、黄色5号(タートラジン)、黄色6号(サンセットイエロー)などが代表例です。
菓子類、清涼飲料、漬物、アイスクリーム、歯磨き粉などに使用されます。

健康リスク:
赤色3号(Erythrosine)は動物実験により甲状腺腫瘍の発生が確認され、米FDAが2023年に食品使用の認可を取り消す方針を発表してます(FDA, 2023)。

英国サウサンプトン大学の研究では、6種類の着色料と安息香酸ナトリウムの併用により、子どもの多動性が増加することが示されました。(McCann et al., 2007)。

一部の着色料は蕁麻疹やアナフィラキシーを引き起こすことがあり、かなり危険です。



規制動向:
EUでは「サウサンプトン6」に分類される着色料に警告表示が義務付けられており、一部は禁止対象となっています。

アメリカではカリフォルニア州が赤色3号の使用を2027年から禁止する法律(AB 418)を可決。

日本では使用基準と成分規格はあるが、警告表示の義務はありません。

【第2位】トランス脂肪酸

このラインより上のエリアが無料で表示されます。
みなさまよくご存知、トランス脂肪酸は植物油に水素を添加することにより生成される脂肪酸であり、マーガリン、ショートニング、スナック菓子、揚げ物、焼き菓子に含まれます。日本では依然として使われまくっています。

健康リスク:
Mozaffarianら(2006)は、トランス脂肪酸の摂取が冠動脈疾患の発症リスクを23%増加させることを示しました。

LDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させます。

妊娠中の摂取は胎児の体重低下や神経発達障害のリスクと関連する(Chatgilialoglu et al., 2020)。

規制動向:
WHOは2023年までに全世界でトランス脂肪酸を食品から排除することを目標に掲げました。

アメリカでは2018年に食品使用を原則禁止(FDA Final Rule, 2015)。

日本では法的規制がなく、食品表示も義務ではありません。農林水産省は自主的な低減を推奨しているだけ。こんな国は他にはないです。


【第3位】増粘多糖類

 増粘多糖類は、食品の粘度や食感を改良するために使用される添加物で、代表的なものにカラギーナン、グアガム、キサンタンガムがあります。
豆乳、プリン、ソース、ジャム、乳製品などに広く含まれます。

健康リスク:
Tobacman(2001)は、カラギーナンがラットの腸で炎症を誘導し、慢性腸疾患や潰瘍性大腸炎との関連性があることを示唆しました。

グアガムは過剰摂取により腸閉塞、鼓腸、下痢を引き起こす可能性があります。

規制動向:
EUではE番号E407(カラギーナン)として使用が認可されていますが、乳幼児向け食品には使用制限があります。

日本では使用基準と成分規格が明記されており、表示義務はあります。

アメリカではGRAS(一般に安全と認められる)とされているが、最近は、再評価が求められています。

【第4位】亜硝酸塩ナトリウム

 亜硝酸塩は、食品の発色および保存の目的で使用され、特にハム、ソーセージ、ベーコン、いくらなどの加工食品に広く含まれています。

健康リスク:
体内でアミンと反応しニトロソアミンを生成、これは強力な発がん性を持つことが証明されています(IARC, 2015)。

WHOは加工肉を「ヒトに対して発がん性あり(Group 1)」に分類しました(WHO, 2015)。

規制動向:
EUではDirective 95/2/ECにより最大使用量が厳密に設定されています。

日本では食品ごとに「70mg/kg以下」など具体的基準が設けられていますが、実際の加工食品にどれくらいニトロソアミンが含まれているかわからないのです。

米国でも使用量に上限があり、組み合わせ使用への注意喚起がなされています。

【第5位】安息香酸ナトリウム

 保存料として使用される安息香酸ナトリウムは、清涼飲料、ジュース、漬物、ソース類、ジャムなどに使用されます。

健康リスク:
アスコルビン酸(ビタミンC)と反応してベンゼン(Group 1:ヒトに対する発がん性あり)を生成する可能性が報告されています(FDA, 2006)。

動物研究においては痙攣や神経毒性、運動障害を引き起こすことが示されています(Pillai et al., 2006)。

規制動向:
EUでは使用上限が明確化されており、アスコルビン酸との併用は注意対象。

日本でも「1.0g/kg以下」などの使用基準が設けられています。

アメリカではGRASに分類されているが、再評価が進められています。

【第6位】アミノ酸系調味料(グルタミン酸ナトリウム:MSG)

 MSGはうま味成分として広く使われており、即席麺、スナック、レトルト食品、冷凍食品に含まれます。

健康リスク:
Olneyら(1969)は、ラットに高用量のMSGを投与すると視床下部ニューロンの損傷と肥満を誘発することを示しました。

一部の人では「中華料理症候群」として知られる頭痛、しびれ、動悸などの症状が報告されています。

規制動向:
EUではE621として認可されており、乳幼児用食品には使用不可。

日本では指定添加物として認可されており、使用制限はないが表示義務あり。

米国ではGRAS指定。摂取に関する警告表示は義務化されていません。



【第7位】人工甘味料(アスパルテーム、スクラロース等)

みなさんがよく飲んでいるダイエット飲料、糖質制限食品、ノンカロリーガムなどに広く使用されています。アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなどが代表例。

健康リスク:
IARC(2023)はアスパルテームを「ヒトに対して発がん性の可能性がある」(グループ2B)に分類(WHO & IARC Joint Statement, 2023)。

Soffrittiら(2006)の動物実験ではアスパルテーム摂取により白血病、リンパ腫が有意に増加。

スクラロースは腸内細菌叢を変化させ、耐糖能異常を引き起こす可能性が指摘されている(Suez et al., Nature, 2014)。

規制動向:
EU:アスパルテーム(E951)、アセスルファムK(E950)などはADI(1日許容摂取量)設定済。

日本:使用基準に基づき認可され、使用量に応じた表示義務あり。

アメリカ:FDAはGRAS認定を維持しているが、2023年に再評価が議論されている。


【第8位】イーストフード

日本のパンや焼き菓子などで使用されるイーストフードは、複数の無機塩(塩化アンモニウム、リン酸カルシウムなど)からなる。

健康リスク:
使用成分のうちリン酸塩類は、腎機能障害患者において血中リン濃度の上昇、骨代謝異常、心血管疾患リスクを増加(Block et al., Kidney Int, 2004)。

過剰摂取により消化器症状(胃腸刺激、下痢)が報告されている。

規制動向:
日本:成分ごとに使用基準あり。イーストフード全体としての使用制限はない。

EU:一部成分(E341など)にADIが設定されている。

米国:GRAS認定だが、消費者団体による再評価要求が出ている。

【第9位】ソルビン酸塩(ソルビン酸カリウム)

ソルビン酸およびその塩類は、防腐目的でチーズ、肉類、清涼飲料などにたくさん使用されています。

健康リスク:
他の化合物(特に亜硝酸塩)と反応し、ニトロソ化合物を生成する可能性あり。

Hagiwara et al.(1984)による変異原性試験では、肝毒性や染色体異常が報告された。

規制動向:
日本:食品衛生法により1.0g/kgの使用上限が設定されている。

EU:E200-E203として使用基準あり。

米国:FDAによりGRASだが、組み合わせ使用に関する指針が存在。

【第10位】次亜塩素酸ナトリウム

食品の洗浄・消毒・漂白に使用されるが、通常は最終製品に表示されない。

健康リスク:
高濃度曝露は粘膜損傷、呼吸器刺激、腸内フローラの破壊を引き起こす。

常習的使用による塩素残留への懸念がある。

規制動向:
日本:使用後の洗浄が義務付けられており、残留してはならないとされるが、業者に委ねられている。

EU:使用制限が厳しく、許可される用途は限定的。

アメリカ:USDAとFDAにより使用は認可されているが、残留許容量が厳密に定められている。



まとめ

今回のランキングは、食品添加物の健康影響に関する最新の科学的知見と、日本を含む世界の規制をお伝えしました。

日本が世界基準からしてかなり遅れているのがお分かりいただけたかと思います。

食品添加物の危険性は用量、摂取頻度、他の物質との相互作用、年齢・遺伝的感受性など多くの要因によって変動します。実際は、まだわかっていないことも多く、これからさらに医学的なデータだ発表されてくると思われます。

消費者としては、加工食品に頼りすぎない食生活を心がけること、毎回食品の成分表示を詳細に読み取ることが最重要です。

少しでも多くの国民が適切な判断を行えるようになり、体に悪い添加物入りの食品を食べないという選択肢が求められます。
その結果として、食品業界は転換を迫られることになるのです。

みなさんで、少しでもこの知識と私の活動を広めて頂ければ幸いです。



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