ゼンゼロマダミスを終えて

テキスト

ゼンゼロマダミスを終えて
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが6/19(木)youtubeにて

「ゼンゼロマダミス 誰があたしのボンプを壊したの!?」

というマーダーミステリーの制作を担当させていただきました。

【公式】ゼンゼロマダミス 誰があたしのボンプを壊したの!?【ゼンレスゾーンゼロ】
https://www.youtube.com/live/s8Kxvi0Bfr0?si=W9UKRTH0AYTsX3Oe



「ゼンゼロ」は、ゼンレスゾーンゼロの略で、2024年7月よりサービスが続いているソシャゲです。超人気ゲーム「原神」と同じHoYoverseさんのゲームで、ゼンゼロもいわゆる「覇権」と言えるゲームです。

今回、UUUM様よりご依頼いただきまして、自分もゼンゼロをローンチ時に少しやっていたこともあり(アカウントのメアドとパスが全然分からなくなっていてしまって4月より最初からやり直しですが!)今回お話をいただいて本当に嬉しかったです。

お話をいただいたのが4月の初旬で、決まったのが4月15日くらいだったので、制作はおおよそ1ヶ月半。原作の履修も含めて初稿までは僅か1ヶ月という超濃密なスケジュールでの制作……自画自賛ではありますが、とても良いものができたと思っています。

今回は、その「ゼンゼロマダミス」について、つらつら書いていければなと。


人の死なないコミカルな内容にして欲しい

今回のオーダーとして、まずあったのが「人が死なない」というものでした。これはIPモノによくある縛りで、派生として「原作キャラが死なない」という縛りもよくあります。結果、プレイヤーキャラとして原作キャラが使えず、オリジナルキャラを創作する作品も結構あるのですが、かくいう「ゼンゼロ」は、「機械は種族」という概念があり、「機械人」も「人」として認識される世界です。

機械は壊れても修理すれば直るので、ゼンゼロは人の死を「故障」で代用することで「人は死なないが、疑似的にその状況を作り出すことができる」そんな作品でした。要は「非常にマダミスと相性の良いIP作品」なのです。

「コミカル」というオーダーも自分に合っていました。個人的にはコミカルな作品を重点的に作りたい性分なので、このオーダーは願ったり叶ったりです(笑)ゼンゼロの世界観も、終末世界とは思えないほど明るくコミカルな作風なので、非常に作り易いと感じていました。

また、これも個人的見解なのですが、少し過激な書き方をすると「見せるマダミスを面白く作るには、コミカルさを前面に出して作る以外ない」くらいに考えているので、先方から合致するコンセプトが出た時点で良いものになる予感をビンビン感じていました。

キャラクター選抜

キャラクター選抜は私の方でしたのですが、「プレイヤー6人」というオーダーに対して、当初は「邪兎屋」の3人(ニコ/ビリー/アンビー)と六課の3人(雅/柳/悠真)の6人を提案しました。

まず「コミカル」というオーダー上「邪兎屋」の特にビリーは外せないと考え、加えて作品の導入からまず出てくるのがこの3人であるため、配信を機に作品を知っていただいた方にも序盤プレイでキャラクターが掴めるとも考えました。

六課はまあ、趣味ですね(笑)

雅が強くて人気ありそうですし、これは既にプレイされている方々に向けて、その「使用率」と無料配布ゆえ「所持率」の高そうな悠真の組み合わせが良いのでは?と考えたからです。

また、「邪兎屋」にしても「六課」にしても3人のバランスがよく、会話の盛り上がりも作れると考えました。しかし、監修にて「もっと陣営を増やして欲しい」というオーダーがあり、現在のキャラ配置に落ち着きました。

コミカルというコンセプト上、なんとしても入れたかった「ビリー」

バカで天然で引っ搔き回すトリックスター「バーニス」

受注当時、Ver.1.7の追加キャラとして発表されたモッキンバードの「ビビアン」と「ヒューゴ」

ヒューゴを出すことから、元相棒の「ライカン」

ライカンの部下であり人気キャラの「エレン」

企画自体が「1周年記念配信」ということでしたので、キャラの再選を打診された際、「思い切って新キャラに舵を切った方がプロモーションにもなるのでは?」という考えもあり、ぶっちゃけ、まだモッキンバードの2人のストーリーを確認するまえにこの配役を提案しました。

結果的にメチャクチャ良かったと思っています。

難しい専門用語

ゼンゼロ自体は、とても分かり易いストーリーなのですが、専門用語は多く、初号の原稿は事前説明が沢山必要な物でした。

正直、初号については「ワザと」専門用語を厚めに入れて、監修でどのような反応になるのかを試してみました。版元様が「どの層に配信をリーチしたいのか?」で専門用語などの取り扱いは変わってきます。基本的にはPR目的かとは思っていましたので、ゼンゼロの世界観を知ってもらうためのツールであると考えていたのですが、「1周年」という節目の配信であると考えると、ファン向けに作る方が優先である可能性も否定できなかったのです。

結論、ぶっちゃけ対象は「両方」であり、「やや知らない人向け」といった感じでした。そのため、「プロキシ」や「エーテリアス」という単語を廃し(これにより、ライカンがリンを呼ぶ際「リン様」と呼称しています。本来はリンもアキラもライカンは「プロキシ様」と呼びます)「案内役」や「怪物」という言葉に変換されました。また、「イアス」も「ボンプ」に。ホロウやFairy、H.D.D.といった単語は作中に出す際に補足説明が併記されるようになりました。

それでもまあまあ難しい言葉のオンパレードでしたが、GMの「やみえん」さんや、司会の「OooDa」さんに上手く租借していただき、分かり易くなっていたかと思います。ありがとうございました。


シナリオの構成について

詳しくは実際の配信を観ていただければ嬉しいですが、配信をするうえで、シナリオ制作にも色々と工夫をしました。

やはり「遊んで楽しい」と「観て楽しい」は作り方としては全く異なると言ってもよく、「観て楽しい」を作るためには、普段以上に「演者さんたちがどんな内容で盛り上がるのか?」を考えます。今回のように有名な配信者の皆さんなら、「きっと読み合わせのこの内容にツッコミを入れてくれるだろう」などと考えたり、ところどころに誰でもツッコみ易い要素を入れたり、ガチャ演出自体も「観せるためのシステム」ですが、特に「Bランク演出」のように、わかりやすく「ツッコミ待ち要素」を入れたり等々……「3分間の漫才のネタ中に何回ボケを入れるか?」みたいなチャレンジをしていきます。

一方で「遊んで楽しい」も実現しないと、演者さんのテンションを引き出せないので結果「両方やる欲張り」が必要になります。

また、言葉を選ばず言えば、こと配信するマーダーミステリーは、全員が生粋の役者でもない限りどうしても「ずっと真面目にシリアスに進行する」が非常に難しいと考えており「茶番感」が出てしまうため、前述もしましたが、「コミカル」に寄ります。なので最初からコミカル寄りオーダーは非常に助かりました。

ただ、そんな中でも「ちょっとイイ話」を最後に仕込んでコントラストを楽しんでいただく試みだったり、ファンサービスの要素を仕込んだりしていまして、本番で無事仕込みが展開されたので胸をなでおろしています。(視聴者のコメントでも拾っていただけていたのでなによりです)


クリエイティブレベルの高さ

ゼンゼロはUIやキャラクター、背景などクリエイティブレベルの高いゲームですが、今回の配信についても、配信画面から演出までクリエイティブのレベルが高い配信だったと思います。
この辺は本当にマーダーミステリー業界の方々にも観て欲しいなと。

もちろん、私はクリエイティブには関わっていないため私の手柄でもなんでもなく、制作の皆さんの力なわけですが、ゲームに関わる部分であれば、最後の写真の仕込みなどこちらからの指示は数行の文言だったにも関わらず、余すところなく再現していただきました。

マーダーミステリーはシナリオさえあれば、比較的手軽に配信ができるコンテンツかと思いますが、それ故に、クリエイティブの作り込みはそこまで力を入れない傾向はあると思っていて、私が知る限り、マダミスの配信ではかなりリッチな画面造りだったと思います。

正直な話、カードの交換をするシステムは、途中でストップが入ると思っていました。配信するうえで非常に処理が難しいからです。ここもクリエイティブの皆さんは頑張って作ってくれました。でも少し反省もしていて「NG待ち」ではなく、最初から配慮していれば、苦労させずに済んだのでは?とも思っています。ただ、結果的にはとても良いものになったとも思うので、制作の皆さまの頑張りに甘えることとしました。ありがとうございました!


つらつらと書きましたが、総じて本当に良い配信になっているかと思いますので、まだご覧になっていない方はぜひ!



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ここから先はちょっとだけ、サロン限定で書きたいと思います!

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