私設図書館もんができてから

私設図書館もんがオープンしてから、少しずつ日常が動き出しました。

思い描いていた風景と、想像を超えて広がる出会いや出来事。

まだまだ試行錯誤の連続ですが、一歩ずつ「もんらしさ」を育てています。

このシリーズは、そんなオープン後の日々のなかで感じたことや、もんという空間を彩ってくれた人たちについて綴っていきます。

前回のあらすじ

近くの集合住宅に住む

Pさんという紳士で博識なおじさまとの出会い。

そして

その集合住宅の数より

緊急車両の数の方が多いんじゃないかというくらい

地域に緊急車両が溢れ、地域住民が騒然とする春の夕方。

しばらく、外に出て様子を確認するが

一向に状況がつかめないままもんに入ろうとしたら

Pさんが自転車で颯爽とお出かけから帰ってきた様子で

「こんばんは～」と通り過ぎて行き

緊急車両が取り囲む団地へと

平然とした様子で突っ込んで

自らの城へと帰って行った。

といったところで終わりました。

そして

結局その日は何が起きたのか謎に包まれたまま一日が終わった。

その翌日、Pさんがいつものようにもんに遊びに来て

僕「昨日の緊急車両すごかったですね。新聞にもネットにも何があったか載っていないし、何だったんでしょうね～」

Pさん「あ～、昨日のね。昨日のあれはね……」

と事情を知っている様子で

Pさんがぽつぽつと話し始めた。